三歳決定説
「3歳決定説」には、小出さんも絶句した。ややあってから、「でも言えてるかもしれない。いくら努力しても、ちっともうまくいかないわけが、わかる」社宅住まいだった彼女も、子供の頃の原風景は、畳にふすま。昭和30年代は、どこでもそんな風だった。伝統建築は別として、今風のカッコいい家に住んでいた人など、日本人の現在の大人の中には、居ないのだ。ましてや日本におけるマンションの歴史は高々30年という。誰だって試行錯誤しているはずである。小出さんが「お宅拝見」で尋ねた中で、「素敵!」と思う家は、良く良く聞くとみんな、プロのインテリア・コーディネイターに任せていた。インテリア・コーディネイターなる職業が成立するところに、悩む人がいかに多いかが、現れている。売主の大入さんも、リフォームの時はプロに頼んだそうだ。だからと言って100パーセント満足ではなく、ぶつかり合うことも多かったという。無論施工主は大入さんだから、「カーテンは青にしたい」といった希望は聞く。が、ではソファをどうするかとなると、大入さんは無地を望んだが、コーディネイターの女性は柄物を主張し、譲らない。「あなたがどう思おうと、こっちの方が絶対に合うんです」とまで言う。
住まいのターゲット層
「住むのは私です!って言いたくなりますね」と私。「言ったのよ。でもまるで耳を傾けないの。ああなるとプロも良し悪しね」結局、柄物で押し切られたが、大入さんはどうしても気にいらず、いまだに青の無地のバスタオルで覆ってあるそうだ。日々目にするものだけに、やはり「自分が好きかどうか」が決め手になるという、家選びで感じたことが、ここでも言える。大入さんによれば、コーディネイターのすごさは、例えばカーテンなら「そういうものは、どこの何」と商品名と店名が、すべて頭に入っていることだ。メーカーの別を超えて網羅しており、生き字引ならぬ「生きる総合カタログ」。その情報量の差が、素人との違いを感じたという。私もまずは情報を仕入れることから、始めよう。けれども、書店のインテリア雑誌コーナーに行くと、あまりの数にめまいがした。これが、多少ともなじみのある料理雑誌なら、自分が知りたいことはどの雑誌に載っていそうか、大体の見当がつく。が、インテリア雑誌だと、そもそもどれから読んだらいいか。仕方なく、端から目を通すことにした。そうするうちに、各雑誌の特徴や、ターゲットの層が分かってきた。
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